サックスを楽しむために、自分好みの音楽を確かめるのが大切です。
ジャズ初心者向けのアルトサックス、ジャズ初心者向けのテナーサックスに続いて、スムーズジャズを紹介していきます。
彼らの音楽を聴いて、自分好みのサックス奏者を見つけてみてください。
スムーズジャズ (Smooth Jazz) とは
スムーズジャズ (スムースジャズ) は、お洒落でメロディアス、またノリの良い曲が多いのが特徴です。
初心者にとっては、ジャズに比べると聴き易いので、とっつきやすいジャンルと言えるかも知れません。
おすすめスムーズジャズ 5選
それでは早速おすすめを見ていきましょう。
最後におまけも紹介しています。
ケニー・G (Kenny G)
1956年6月5日、アメリカ ワシントン州生まれ。
スムーズジャズというジャンルで最も有名なサックス奏者のひとりです。 主にソプラノサックスの演奏が印象的ですが、アルトサックス、テナーサックスも演奏します。
とてもメロディアスで唄うような演奏でとても聴き易い楽曲が多い印象ですね。 しかしその聴き易さとは裏腹に、よく聴くと非常にテクニカルな演奏です。
また循環呼吸奏法の名手でもあり、45分47秒途切れさせずに音を伸ばすギネス記録を持っているそうです。
あ、そうそう、ジャズ・アルトサックス奏者のケニー・ギャレット(Kenny Garrett) とは全くの別人です。
おすすめ音源
この記事でおすすめするケニー・G のアルバムは、1992年に大ヒットした『ブレスレス (Breathless)』です。
そのアルバムに収録されている『フォーエバー・イン・ラブ (Forever in Love)』はとてもゆったりして気持ちの良いメロディの曲です。
そのメロディを表情豊かに演奏するケニー・G、カッコいいですね。
デイヴィッド・サンボーン (David Sanborn)
1945年7月30日、アメリカ フロリダ州生まれ。
デイヴィッド・サンボーンの特徴は、そのエモーショナルな音色と唄い方にあります。
ブルージーな節回しは「泣きのサンボーン」と呼ばれたりします。
その後のアルトサックス奏者に多大な影響を与えた人物です。
その特徴的な音色は、彼の特徴的な楽器の構え方から来ている面があるように思います。
彼は病気のリハビリとしてサックスを始めたそうで、その時に楽器を保持しやすかったのが今の姿勢だったのではないでしょうか。
結果として特徴的な音色を手に入れたんだと思います。
おすすめ音源
デイヴィッド・サンボーンの数あるアルバムからおすすめを紹介するのは困難を極めます。
この記事ではその中で、比較的初期のアルバムで1984年の『ストレイト・トゥ・ザ・ハート (Straight to the Heart)』を紹介します。
スタジオでのライブを収録した作品ですが、メンバー良し、選曲良し、演奏良しの素晴らしいアルバムです。
その中でアルバムの表題曲『ストレイト・トゥ・ザ・ハート』の演奏が、デイヴィッド・サンボーンをよく表していると思います。
ミディアム・スローの曲ですが、情緒豊かに歌い上げる場面、熱く盛り上がる場面など、盛りだくさんの1曲です。
グローバー・ワシントン・ジュニア (Grover Washington Jr.)
1943年12月12日、アメリカ ニューヨーク州生まれ。
今日のスムーズジャズがあるのは、グローバー・ワシントン・ジュニアの功績が大きいでしょう。
彼のタメがあって語るようなフレージングが特徴です。
アルトサックス、テナーサックスを曲によって持ち替えて演奏する事が多いのですが、その音色の統一感も素晴らしいと思います。
また、演奏は非常に抑えが効いているように聞こえる反面、演奏する姿は非常に熱いというギャップもまた良いです。
おすすめ音源
やはり彼の最大のヒットアルバム、1982年の『ワインライト (Winelight)』は外せないでしょう。
ここに収録されている『クリスタルの恋人たち (Just the Two of Us) 』はビル・ウィザーズ (Bill Withers) をボーカルに迎えたお洒落な曲は、今でも人気があります。
その他にも素晴らしい曲が収められていますが、冒頭1曲目に収録された表題曲『ワインライト (Winelight) 』を聴いてみてください。
アルバム全体がそうなんですが、大人の雰囲気漂う落ち着いた演奏の中に熱気が見え隠れする良い曲です。
デイヴ・コーズ (Dave Koz)
1963年3月27日、アメリカ カリフォルニア州生まれ。
現在のスムーズジャズシーンの中心人物のひとり。
クリアな音色とよくコントロールされたテクニックでメロディを表現します。
アルトサックスがメインのようですがテナーサックスも使用します。
またソプラノサックスも得意としていて、使用しているカーブド・ソプラノサックスのルックスと相まってとても印象的です。
デイヴ・コーズはライブでエネルギッシュでカッコ良いパフォーマンスを見せてくれます。
おすすめ音源
デイヴ・コーズの一枚としては、1999年の『ザ・ダンス (The Dance) 』がおすすめです。
オリジナル曲と共にヒット曲のカバーも収録されています。
また日本版では宇多田ヒカルのファースト・ラブ (First Love) がソプラノサックスでカバーされていますよ。
このアルバムのトゥゲザー・アゲイン (Together Again) はかなりの名曲で、同アルバムのキャント・レット・ユー・ゴー (Can’t Let You Go (The Sha La Song)) と共に現在でもライブで演奏されるようです。
カーク・ウェイラム (Kirk Whalum)
1958年7月11日、アメリカ テネシー州生まれ。
カーク・ウェイラムと聞いて真っ先に思い出すのがホイットニー・ヒューストン (Whitney Houston) のヒット曲『オールウェイズ・ラヴ・ユー』の間奏です。
この曲はホイットニー・ヒューストンが主演した映画『ボディ・ガード』の主題歌です。
彼の演奏は非常にソウルフルで独特の歌心にあふれていて、ゴスペルにルーツを感じます。
特にミディアム・テンポのノリの良い曲やバラードにおいて、大きな魅力を発揮すると感じさせられますね。
おすすめ音源
カーク・ウェイラムの諸作の中から、ヒット曲のカバーアルバム『フォー・ユー (For You) 』をおすすめします。
サックスでメロディを演奏する曲もあれば、ヴォーカリストを入れて間奏を演奏している曲もあります。
その中でマライア・キャリー (Mariah Carey) の『マイ・オール (My All)』が彼の歌心を堪能できる曲です。
おまけ
前述のデイヴ・コーズを中心に結成されたサマー・ホーンズ (Summber Horns) も紹介しておきます。
サマー・ホーンズはスムーズジャズ系のアンサンブル・チームです。
最初期は、デイヴ・コーズ (Dave Koz)、ジェラルド・アルブライト (Gerald Albright)、ミンディ・エイベア (Mindi Abair)、リチャード・エリオット (Richard Elliot) という素晴らしいサックス奏者をメンバーとして揃えていました。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事が、好きなサックス奏者を見つけるきっかけになれば幸いです。
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