サックスを吹いている方の中には、ジャズに興味がある方がいらっしゃると思います。
でもジャズって難しいし、たくさんあってどれを聴いたら良いのかわからないという理由でなかなか聴く気になれないですよね。
今から、ジャズ初心者でも親しみやすい演奏のアルトサックス奏者とおすすめの音源を紹介します。
聴き易さと雰囲気の良さに焦点を当てて厳選しました。
最初はBGMにするくらいのつもりで、何となく聴き始めてみてください。
きっとジャズの興味が広がりますよ。
読んでもらいたい人
この記事は、ジャズに興味があるけど尻込みしている人に読んでもらいたいです。
つまり、
- ジャズを聴こうと思うけどたくさんあり過ぎて、何を聴けばよいか見当もつかない人
- 以前ジャズを聴こうとして挫折した。自分にはイマイチ合わなかったかも。
なんて人におすすめかも。
おすすめアルトサックス奏者 5選
それでは早速おすすめの奏者を5名紹介します。
サックス奏者とおすすめの音源、それぞれに簡単な解説を付けています。
音を聴きながら読んでいただけると嬉しいです。
アート・ペッパー (Art Pepper)
1925年9月1日 ‐ 1982年6月15日、アメリカ カリフォルニア州生まれ。
アート・ペッパーはアメリカ西海岸の演奏家で、ウエストコースト・ジャズのシーンで活躍しました。
木管楽器らしい柔らかく暖かい音色と、落ち着いたムードの演奏がとても印象的です。
とても才能のある人物でしたが、薬物中毒に悩まされた人生だったそうです。
その為1960年代は演奏活動を休止していた時期があったようで、復帰後は熱い演奏スタイルに変えてしまったそうです。
興味がありましたら、1970年代の演奏も探してみてください。
おすすめ音源
おすすめのアルバムとしては何と言っても、アート・ペッパー・ミーツ・ザ・リズム・セクション (Art Pepper Meets the Rhythm Section) 1957年 でしょう。
アート・ペッパーのアルバムの中でも、特に初心者にも聴き易いと人気があります。
ここでのリズム・セクションとは、ジャズの帝王マイルス・デイビス (Miles Davis) のバンドのリズム・セクション(ピアノ奏者、ベース奏者、ドラム奏者の3人組) の事を指します。
当時の超一流リズム・セクションとの共演で、アート・ペッパーは素晴らしい歌心を発揮しています。
そのアルバムの1曲目に収録されている、ユー・ド・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ (You’d be so Nice to Come Home to) はとてもオシャレな演奏です。
ポール・デスモンド (Paul Desmond)
1924年11月25日 ‐ 1977年5月30日、アメリカ カリフォルニア州生まれ。
ポール・デスモンドは前述のアート・ペッパーと同じアメリカ西海岸の演奏家で、ほぼ同じ時代を生きた演奏家です。
音色に関してもアート・ペッパーと似たところがありますが、よりスモーキーで繊細な印象を受けます。
アドリブソロの能力の高さはもちろん、作曲のセンスもかなりの高さです。
西海岸で人気のあったデイブ・ブルーベック・カルテット (Dave Brubeck Quartet) に参加し、同バンドへ向けて作曲したテイク・ファイブ (Take Five) がかなりヒットしました。
おすすめ音源
おすすめのアルバムは、前述のテイク・ファイブの大ヒットアルバム、タイム・アウト (Time Out) / デイブ・ブルーベック・カルテット 1959年 です。
ピアノ奏者のデイブ・ブルーベックがリーダーを務めるカルテット(Quartet 4人グループ)のアルバムです。
1曲を除いてすべてデイブ・ブルーベックによる作曲ですが、テイク・ファイブのみポール・デスモンドが作曲しました。
そのテイク・ファイブは5拍子という変則なリズムですが、キャッチーかつ覚えやすいメロディで人気の曲です。
キャノンボールアダレイ(Julian “Cannonball” Adderley)
1928年9月15日 ‐ 1975年8月8日、アメリカ フロリダ州生まれ。
キャノンボール・アダレイは、フロリダ州生まれですがニューヨークで頭角を現し、トランペット奏者マイルス・デイビス (Miles Davis) のグループで大活躍しました。
その他、弟のコルネット奏者ナット・アダレイ (Nad Adderley) と結成したクインテット (Quintet 5人グループ) での活動でも人気でした。
演奏活動の中で、マイルスの名盤カインド・オブ・ブルー (Kind of Blue) に参加して、モード・ジャズの誕生にも寄与しました。
またエネルギッシュな演奏にも定評があり、ファンキー・ジャズやソウル・ジャズの中心人物でもありました。
おすすめ音源
おすすめのアルバムは、キャノンボール・アダレイ・イン・サンフランシスコ(The Cannonball Adderley Quintet in San Francisco) 1959年 です。
このアルバムは、前述の弟ナット・アダレイとのクインテットでのライブ・レコーディングです。
ライブ会場の雑音が聞こえるという臨場感と、熱い演奏が相まってとても盛り上がるアルバムに鳴っています。
そのアルバムの1曲目、ピアノ奏者のボビー・ティモンズ (Bobby Timmons) 作曲のディス・ヒア (This Here) でライブ会場の熱気を感じてみてください。
演奏前の口上が少し長いのはご愛嬌ですね。
ジャッキーマクリーン (Jackie McLean)
1931年5月17日 – 2006年3月31日、アメリカ ニューヨーク州生まれ。
ジャッキー・マクリーンは、10代の終わり頃には既にプロとして活動していたようです。
少し不器用でかつ実直な演奏は、豪快さと哀愁を併せ持ったような印象を感じます。
長い演奏キャリアの中でたくさんのアルバムに参加・発表しました。
1959年に発表された、ピアノ奏者のマル・ウォルドロン (Mal Waldron) のアルバム、レフト・アローン (Left Alone) で見せる哀愁はとても印象的で、曲のムードを見事に表しています。
おすすめ音源
おすすめアルバムは、デーモンズ・ダンス (Demon’s Dance) です。
名門ブルーノート・レコードから発表されたアルバムで、トランペット奏者ウッディ・ショウ (Woody Shaw) やドラム奏者ジャック・ディジョネット (Jack DeJohnette) の参加に目を見張ります。
ジャケット絵の何とも不気味ですが、勢いのある正統派なジャズの演奏を聴くことが出来ます。
その中でもウッディ・ショウ作曲のスウィート・ラブ・オブ・マイン (Sweet Love of Mine) は、正統派でかつキャッチーさもあり、熱のこもった演奏です。
渡辺貞夫
1933年2月1日 ‐ 、日本 栃木県生まれ。
「ナベサダ」の愛称で呼ばれ、あまりにも有名なジャズ・アルトサックス奏者です。
ピアノ奏者の穐吉敏子に続きアメリカ留学で本格的にジャズを学んだ、ジャズのパイオニアのひとりです。
ビバップというスタイルのジャズを基本に、ブラジル音楽であるボサノバやアフリカ音楽などを取り入れたスタイルが特徴です。
また、明るくポップな路線の曲調のオリジナル曲にも人気があります。
おすすめ音源
おすすめアルバムは、パーカーズ・ムード (Parker’s Mood) 1985年 です。
ビバップの神様チャーリー・パーカー (Charlie Parker) の曲やジャズ・スタンダードをアメリカの若手演奏家と共演したライブ・アルバムです。
ナベサダのスウィンギーで歌心溢れるアルトサックスと、熱のこもった若手の演奏との融合が素晴らしいアルバムです。
その1曲目に収録されているステラ・バイ・スターライト (Stella by Starlight) は、人気のあるジャズスタンダードです。
やや抑えの効いた序盤からどんどん盛り上がっていく演奏は、素晴らしいの一言です。
まとめ
いかがでしたか?
今回はジャズ初心者に向けて、比較的オーソドックスなアルトサックス奏者から選んでみました。
紹介したサックス奏者や音源を気に入ってもらえて、サックス・ライフがより充実することを願っています。
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